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おたくの書斎です 綺麗な話も汚い話も

わたしは「知的生産.exe」のユーザーだしファンだど,研究者ではない

わたしは「知的生産.exe」のユーザーです。

わたしも 知的生産.exe の愛用者です。

わたしは 知的生産.exe の優れたツールの数々にずっと惹かれてきました。そしていろんなものに応用してきました。とりわけ,「文章を組み立てる」という作業をこのアプリは素晴らしく的確に行うことができます。まるで,このアプリは文章を組み立てるための道具であると錯覚してしまうほどです(もちろん実際には文章に限らず,色や音,味といったあらゆる情報を扱うことができます)。

そこであるころから,わたしも何かしらのファンコミュニティに入りたいと思うようになりました。「なぜ?」って,好きだから。ファンだから。それ以上でもそれ以下でもありません。

とくに愛用しているのは “Tools » workflowy“ です。この文章もまた “Tools » workflowy“ で作っています。

さいわいなことに,“Tools » workflowy“ のコミュニティは活気づいていて,優れた書籍も発売しています。

さあ,わたしも何か書くぞ。──と,意気込んだところまでは良かったのでした。

繰り返しますが,わたしも 知的生産.exe の “愛用者” です。

わたしは決意を新たにしてから,数ヶ月が経ちました。

何も書くことがありません。

「書く」という行為は, 知的生産.exe の本質的行為のひとつです。「文章を組み立てる」という作業をこのアプリは素晴らしく的確に行うことができる,はずです。このアプリケーションを愛用者が「よし,書くぞ」と思うのは自然なことのはずです。

なのに,何も書くことがない。

痛烈に面白かった本について感想を書いたときも「こんなものを書くのが目的だったんじゃないんだよー。でも面白いから感想を書いてしまう……」と悩んでいました。感想を書きたい本はいまも溜まっています。

「さあ,わたしファンコミュニティに向けてなにか書くぞ」と意気込んだのに,なぜ何も書けないでいるのか。ある恐れが頭をよぎります。

それはひょっとして,わたしは知的生産.exe を使うことは好きだが, 使い方について書くことには,ほとんど興味がないからでは……。

「そんなバカなことがあるか!」と最初は思いました。

『ファンコミュニティのひとたちはみんな,そういうものを書いているじゃないか』「たしかに。でも,わたしの使い方なんてものは,たかが知れている。別にわたしは新しい使い方をしているわけではない。ただ,便利な使い方を仕入れてきて,その通り使っているだけだ」『でも,ちょっとはアレンジしているだろう?』「そんなアレンジは瑣末なものだ──そして,それをわざわざ公開することに,わたしは興味がないんだ」

そこでいよいよ,自分の書きたがっている(つもりの) 知的生産.exe がなんであるかを考えなおす必要が出てきました。その結果がこのエントリです。

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この検討を通じて,ようやくわたしは自分の置かれている状況を理解することができました。

知的生産.exe で扱えるものはあらゆる情報であって,「知的生産.exe に関する情報」だけではない

わたしが長い時間をかけて 知的生産.exe を書けないでいるあいだ,わたしが書きたくてしかたないと思ったテーマは,知的生産とはなんの関係もない話ばかりでした。途方に暮れる思いでした。

しかし気付きました。

とてもシンプルな話です。

わたしは 知的生産.exe を愛している。そしてこのアプリが扱えるのは「あらゆる情報」であって「知的生産.exe に関する情報」だけではない。わたしが書きたいことは「あらゆる情報」の一部ではあるけれど「知的生産.exe に関する情報」の一部ではない。わたしは「知的生産.exe」を扱うが,「知的生産.exe に関する情報」を扱うわけではない。

なにも,熱心なユーザーが開発者や研究者を兼ねる必要はありません。

与えられたツールを使って,使いこなして,自分の扱いたいテーマを扱う。

知的生産.exe を使って 知的生産.exe のツールを開発することは尊い。よりよい料理を追求することも尊い。旅をすることも尊い。知的生産.exe とは何の関係もない文章や絵を作ることもまた尊い。

このアプリは,もっとも「万能」という言葉に近いアプリケーションです。なんだってすることができる。したいとさえ思えばね。

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